acquired resistance
ICIが臨床的に奏効するための必要条件として,腫瘍変異抗原由来ネオアンチゲンを認識,傷害できる細胞傷害性T細胞(CTL)の存在が不可欠である.その条件下で抗腫瘍効果を発現するが,強力な免疫反応は同時にフィードバック機構として免疫抑制反応が惹起され,これにより抗腫瘍効果が減弱する.臨床的定義は,ICIによる治療で,完全寛解(CR)や部分寛解(PR)を示すか安定疾患(SD)が少なくとも6カ月以上継続していたICI治療がん患者で,その後ICIに不応となった患者の免疫学的状態を指す.CTLが存在すると考えられるため,抑制的な免疫状態を変化させることで,再度,ICIの治療効果を期待できると考えられる.(実験医学増刊4217より)
マイクロバイオームと医療応用 全身の微生物叢が生理機能と病態をいかに制御するか?
がんに対する免疫治療において,最初はがんの縮小が認められたが,後に効果がなくなること.例えば,抗PD-1抗体治療が最初は効果が認められ腫瘍が縮小したが,継続投与することにより,JAK1/2機能欠損によるPD-L1発現のないクローンが生じ,ドミナントになったことで,治療効果が消失した症例など.(実験医学増刊3715より)
がん免疫療法の個別化を支える新・腫瘍免疫学
解説は発行当時の掲載内容に基づくものです
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